最近、日本で就職がよくできるということは広く知られている。リクルートワークス研究所によると、企業の来年大卒予定者求人総数は81万4000人。それに比べて求職者は43万2000人で、38万2000人足りない。この不足分は韓国20代の失業者全体数とほぼ同じだ。
そのためか、最近は子女の就職問題で連絡してくる知人がいつにもまして増えた。韓国では就職難なので、今からでも子どもを日本にやらないといけないのだろうかという愚痴が大部分だ。
統計だけ見ると、日本の大卒者は何もしなくても企業が寄ってくるかのように映る。だが、現実は全く違う。日本の就活生にとっても就職難は相変わらずだ。就職先がなくて難しいのではなく、その多くの職の中から自分に合うものを探っていく過程が大変だということだ。これを「摩擦的プロセス」という。
企業は3月1日に募集サイトを一斉にオープンして採用を開始する。5月までの書類審査・適性検査などに続き、6月から面接が行われる。これは経団連のガイドラインだが、きちんと守られていない。4~5月にセミナー・座談・交流会という名のもとに実質的面接をする企業が多い。この時、合格者がある程度選ばれる。
5月の内定率はすでに40%を越えた。メディアではこれを「フライング(不正出発)選抜」と批判するが企業は人材確保のためには仕方ないという。
まだ大多数の就活生は不安と焦りの中で数多くの会社の門を叩いている。たいてい20~40社に願書を出している。企業は不合格者に「今後の活躍を祈ります」というメールを送るため、就活生は不合格を「祈られた」「お祈りメールが来た」といっている。祈られる就活生が多いということは、あふれる職の中の就職難を見せている。
これをあおっているのが大企業偏重の風潮だ。従業員300人未満の中小企業の求人倍率は9.91だ。企業が10人の求人を出しているのに、たった1人しか応募しないことになる。その反面、5000人以上の大企業の求人倍率は0.37で歴代最低だ。求人は5万1000人だが求職者は13万9000人だ。東京証券取引所1部上場企業2086社中5000人以上の大企業は500社にならない。
ここに集まる就活生にとって、就業の門は狭きものにならざるを得ない。それでも中小企業がどれも受かりやすいかというとそういうわけでもない。企業別に少数を選ぶとミスマッチが頻繁に起こる。4~7人を募集していた東京のある製菓会社には1万6000人を越える就活生が集まった。
2018年06月01日09時20分
http://japanese.joins.com/article/908/241908.html?servcode=100§code=140
http://japanese.joins.com/article/909/241909.html?servcode=100§code=140
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不透明な学歴差別もある。大学の看板を基準に選り分けることを学歴フィルターという。大学別枠を設けたり、ある水準以上の大学だけにターゲットをしぼったりして採用する。ある世論調査では、学力差別を感じるという就活生は75.7%に達した。
しかし、これも就職氷河期をさ迷う韓国青年にとっては贅沢な愚痴だ。日本では自分の基準を適度に低くして準備さえうまくすれば機会は多いのが事実だ。これがアベノミクス効果であることに異見はない。
安倍政府が雇用をどれくらい作ると大言壮語したことはない。金融緩和と財政政策で経済全体の需要が供給を上回るようにマクロ政策に注力した。過熱をある程度容認する高圧経済政策だ。景気回復が目標で、雇用はその効果だ。
雇用を生きるための方便としてみるなら、分けたりばらまいたりすればいい。現在の韓国政府の政策がそれだ。それに比べ、働き口を付加価値創出ユニットとして見るなら処方は変わる。企業が商品をもっと多く作り、もっと多く売らないと雇用は増えない。
この時期に仕事を覚えるべき青年が、数年間職場生活を経験することができなかったら、階層下落につながってしまう。韓国統計庁によると、その高危険群は40万人にのぼる。このままいけば所得格差がますます広がってしまう。
日本でも就職氷河期に職につけなかった若者が非正規職に追い出され、年を重ねても経済的に余裕を持てないまま日々暮らしている。いわゆる「ロスジェネ(ローストジェネレーション)」だ。日本でも韓国でもロスジェネは社会経済の足を引っ張る重い鉛の塊だ。
雇用を増やそうとする熱意にもかかわらず効果がないのは方法が誤っているためだ。今からでも何かが間違っているという認識を持つことが解決の出発点だ。折しも金東ヨン(キム・ドンヨン)経済副首相が日本経済新聞の行事で講演するためにまもなく東京を訪れる。
行事場所だけに留まらず、ぜひ外に出て通りを歩いてみてもらいたい。リクルートスーツ姿の若者、予約しなければ席がない食堂街、観光客で混雑している商店街、オリンピック(五輪)を準備中の工事現場…。景気回復のぬくもりを実感できる場所が多い。
韓国政府インナーサークルの教条主義のせいで凍りついてしまっている現実感覚を溶かして帰ってほしい。これ以上後手に回れば本当に手遅れになる。
>>おわり。
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Source: おもしろ韓国ニュース速報